貪欲にしがみつく嫉妬心 〜Today's me〜

君の存在だけで世界は万華鏡みたいにくるくる回って光が射す。


シーラカンスを釣った。念願叶った日である。

マイルチケットを使用し、どこかの島へと訪れたのだが、そこはまるで雨雲で蓋をされているようで、土砂降り未満にわか雨以上といった、天の涙が溢れ落ちていた。

ふりしきる涙を華麗に避けつつ、浜辺を闊歩する。大小様々な魚影を目にしては、これまた涙を避けつつ、海面に自慢の竿を垂らす。(念のために言っておくが、別に変な意味じゃない)

水面に映ゆる自分の美顔に恍惚としすぎるあまり、魚影に向ける意識が薄くなる。一瞬の遅れが生じるも、ウキが沈んだのを見逃さず、親指に力を込めた。画面に落とし込んだ私を見守り、振動という形で伝わってくる彼の苦労に、僅かながらのエールで応える。

今作は、魚ごとに振動の強弱が設定されているように思う。釣りの経験を重ねていくうちに、だんだん振動で察せるようになってきている。

頑張れ、頑張れと念じ、それと同時に、振動の強さに驚く。

魚影は大きかった。そしてこの振動……。

雨も降っているし、まさかの事態もあり得る。そもそも、ソレを狙っているのだ。

釣られたくない一心で、抵抗を見せる魚。負けじと釣り上げようとする私の分身。

数秒の死闘の末、勝者が決まった。私の分身である。薄々感じてはいたが、やはりスズキであった。鈴木ではなく鱸。久し振りに釣ると、「あれ?こんなに振動したっけ?」となる。その事象が発生したのだ。

そのあとも釣りを続け(当然涙は避け続けた)、シーラカンスを釣り上げた次第である。


1日1ライム。

『五感全部熱く刺激するワードセンスは互換性抜群』

ICE BAHN/LEGACY


さよなら。ばいちゃ。