風のすべてが彼の歌 ~Today's me~

 It is no use crying over split milk.

 

「あつまれ どうぶつの森」(以下、どう森)というゲームがあるのだが、ゲーム中に桃が手に入る。桃を植えることで桃の木を育てることができる。要する時間は5日。

ところで、「桃栗三年柿八年」という言葉がある。

ここで疑問が生じる。多少の差異はあれど、収穫できる段階まで育つのに3年はかかる。しかし、どう森の世界では、わずか5日で収穫可能な段階まで達する。なぜだろう。

現実世界で桃が実るまで3年(1,095日)の月日がかかると仮定すると、どう森の世界は約219倍の速度で時が進んでいる。しかし、1年が365日であることから、太陰暦を使用してるっぽい。さらにうるう年という概念もある。これは、限りなく地球に近い環境にある惑星であることの証明だ。

ちなみに天文学についての知識はほとんどない。

四季もあり、基本的に3ヵ月周期で春夏秋冬を渡り歩いている(あくまで私の考え)。これは現実世界での3ヵ月であるため、どう森の世界では657ヵ月ごとに四季が巡っていることになる。果てしなく果てしない。1年は2,628ヵ月で、日にちに直すと79,935日。生誕してから成人するまで1,598,700日。1,598,700日もの間、人ならざる存在であり続けなければならない。まさに地獄である。

誕生日もお年玉も79,935日に一度しか訪れない。生きてる楽しみを感じることのない世界であると言い切れるであろう。

私のしあわせ島には "ヴァヤシコフ" という馬がいるのだが(ちなみに私の同期である)、馬の平均寿命は20~30年。島での生活はすでに30日(どう森世界では18年)が経過しているため、もうじき彼は天寿を全うするであろう。とはいえ、同期である彼とお別れするのは避けたい。

今までは時間操作することなく過ごしてきたが、彼がいなくなるくらいなら時間操作に手を出すべきかもしれない。禁忌ではあるが、仕方ない。

 

そう考え、時間操作しかけた私の脳裏に、ふと「地獄先生ぬ~べ~」の91話「反魂の術の巻」が過った。死は避けられないものである。そう思い出したのだ。

時間操作なんてしない。別れというのは、誰にでも訪れる運命なのだから。

 

さよなら。。。